レセコンとは?導入の歴史や種類まで詳しく解説!

医療事務の負担を軽減するシステムとして知られるのが、レセコンです。厚生労働省の調査によると、令和5年度の医療機関全体の導入率は96%を突破しており、今や医療機関にとって欠かすことができないツールです。

この記事では、基本的な情報をはじめ、歴史や機能までを詳しく解説します。導入を検討している方の参考になれば幸いです。

レセコンとは?

レセコンとは、レセプト(診療報酬明細書)を自動で生成するシステムのことです。病院、診療所、調剤薬局などさまざまな医療現場で導入されており、主に会計情報を扱う事務スタッフが使用しています。

1970年代には販売が開始されており、医療分野のITツールの中でも長い歴史があります。1990年代に入ると、コンピュータを使って医療業務を効率化することは一般的になり、急速に普及が進みました。

2024年4月1日には、レセプトのオンライン請求が義務化され、紙のレセプトによる請求の新規適用は終了しました。そのため、医療機関をこれから開設する場合は、レセコンの導入は必須だと考えられます。

レセコンが広まった理由

医療機関は月に1回、医療費を請求するため、審査支払機関にレセプトを提出します。レセプトには患者の氏名をはじめ、診療内容や薬剤の処方内容などが記載されています。

内容に問題がなければ、診療報酬が医療機関へ支払われます。しかし、誤りや不備があった場合は、審査支払機関からレセプトが返戻(差し戻し)されてしまい、支払いは行われません。

レセプトの返戻数が多いと、修正に多くの時間がとられます。人的なミスをなるべく防ぎ、効率よく診療報酬請求の業務を進めるために、レセコンは多くの医療機関で導入されるようになりました。

レセコンでできること

レセコンはメーカーや種類により、機能が少しずつ異なります。ここでは、基本的な機能を4つご紹介します。

保険点数の自動計算

最大の特徴は、保険点数を自動で計算してくれることです。診療行為は内容ごとに点数が決められており、どの医療機関においても1点=10円という金額で統一されています。

レセコンが普及する前は、診療内容を保険点数に換算したうえで、診療行為にかかった点数の合計を算出していました。計算には多くの手間がかかるほか、人的なミスが発生するリスクがあります。レセコンを使用して保険点数を自動で算出すれば、業務の効率化やミスの防止を期待できるでしょう。

レセプトの作成

レセコンに入力した患者情報を使用すると、レセプトの作成が可能です。患者さんの1か月分のデータを集計し自動で作成できるため、業務の効率化が期待できます。

また、レセコンを使用するとレセプトをオンラインで請求できるため、紙を印刷したり郵送したりする手間がかかりません。万が一レセプトの内容に不備があっても、データはオンラインで返戻されるため、素早く修正できるのもポイントです。

データの点検

レセコンの中には、入力されたデータが正確かどうか、点検する機能があるソフトもあります。例えば、入力した病名に対して診療内容や処方された薬などが合致しているか、レセプトの点検機能を使えば簡単にチェックが可能です。

ミスが疑われるデータがあれば、該当箇所を自動でピックアップします。目視でデータをチェックするよりも正確に仕上げられるとともに、業務の効率化につながるのが特徴です。

患者満足度の向上

レセコンを使用すれば、患者さんの保険情報や診療内容を簡単に確認できます。受付業務や会計業務を効率よく行えるため、患者の待ち時間の短縮が可能です。

また、業務を効率化できれば、診察にしっかりと時間をかけられます。すると患者の満足度の向上につながり、結果的に医療機関の収益増加にもつながります。

導入の注意点は?

レセコンの種類を大きく分けると、医科・歯科・調剤の3つがあります。それぞれ特化している機能やサポート内容は異なるため、導入する医療機関に合わせて選ぶ必要があります。

また、バックアップ方法にも注意しましょう。手動でバックアップするタイプだと、パソコンの故障や人的なミスによりデータが損失する可能性があります。レセコンの中には自動でバックアップをする製品もあるため、導入時にチェックすると良いでしょう。

まとめ

今回は、レセコンの基本機能や、導入されている理由について解説しました。診療報酬請求業務を効率化したり、人的なミスを防いだりする効果があるため、今や医療機関に欠かせないツールです。

有用性を理解したうえで正しく使えば大きなメリットにつながりますが、医療機関によって適切なレセコンは異なります。導入を検討されている方は、どのような機能が必要なのか、しっかり考えてから導入すると良いでしょう。

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